2022年7月20日水曜日

Vol.29 飛び級のメリットデメリット

オーストラリアは4学期制。

それぞれの学期の間に中間休み2週間程度を挟み

クリスマス休暇(こちらは季節が逆なので)いわゆる夏休みは一番長く4週間程。

私が以前勤務していた幼稚園はこの州のカレンダーには合わせて動いてはいたのですが、

現在働く保育園では基本的に学期間のお休みはなく、年中稼動。保育園のオーナーと園長先生の計らいでクリスマス休暇は2週間程は皆同時に取れるようになっています。

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さて、前置きが長くなりましたが、なぜこんな話題をというと、

ミニモニが3学期から本格的に上のクラスに上がったんです。

まぁいわゆる飛び級です。

ミニモニと私の勤務先でもある園はたった2クラスしかないめずらしい保育園で、レッジョエミリア式を基本とし、モンッテソーリ教育もとり入れつつと、カリキュラムも充実。スタッフも長く勤務しているベテランの保育士ばかりでチームとしての結束も固く、入園している子供達の家族や地域のコミュニティともしっかりと交流があり、その一員として働く私としても、とても素晴らしい保育園だと思っています。

そんな、保育園にいるミニモニ2才半が通うのは15ヶ月から3才までのクラス。今年でミニモニは2年目で、クラスの中ではお姉さん。小さい子達の面倒もみつつ、他の同い年のお友達とリーダーシップをとりつつ過ごす日々。私は今年に入って最初の3ヶ月のみ勤務し産休に入ったので、その後もさほど心配せず、安心して新生児育児にあくせく過ごしていたのですが、

5月頃から、ふと、ミニモニの自己主張や癇癪がエスカレートしてゆくのに気づいた私。次女のプチモニも生後2ヶ月で、赤ちゃんがえり?嫉妬?・・・とまぁ2才児でイヤイヤ期真っ只中だし。と広い心で?(と言いたいけれど結構なガチバトルな日もアリ笑。)受け止めてきましたが、6月に保育園の園長先生から打診が。


ーミニモニちゃん、今のクラスが簡単すぎて、エネルギーを持て余している感じがするの。(つまり、クラスに慣れきってふざけてばかりいるのでしょう・・・)彼女は自己主張もコミュニケーションもしっかり出来る子だし、大きい子に混ざって遊んだり学んだりする方が刺激になっていいのでは。


上のクラスは3才から5才クラス。2才半のミニモニは最年少中の最年少。


ちょっと考えさせて下さい。とその場で返答はせず、少し考えを整理してみることに。

私の上司でもある園長先生の考えを私は絶対的に信頼していて、彼女の言う事は的を得ている。けれど、私が保育士としてみてきた上のクラスはとにかく自己主張していかないと生きてゆけない世界。クラスの子供の数も12人からほぼ倍に増え23人。何か先生にして欲しいときも、何か困った事があったときも、全部自分から積極的に動いていかなければならない。

お弁当が自分で開けられない

お昼寝用のシーツが上手に敷けない

スニーカー靴が履けない

先生の指示が複雑で分からない…などなど

上げればキリがなく、

できない自分に押しつぶされてせっかくの自信がしぼんでしまうのでは・・・と想像して不安になる私。

けれど、今のクラスで女王さま気取りでおふざけしてばかりもどうしたモノか・・・確かに前途したように、家でもエネルギーが有り余っている感じがじていたし。

考え抜いた結果。


よし。チャレンジさせてみよう!


ミニモニの性格的に、周りの目や物事に対して過敏な子ではないし、私なんかよりずっと逞しいし、問題が起こったり失敗しても引きずらない。

何より、経験させてみなければクラスに合う合わないは分からない。ならば飛び込ませてみよう。

そして、あえてミニモニには意見を聞かなかった。聞けば「今のクラスのままがいい」と言うに決まっているから。そりゃあそうだ。人間格別に居心地の良い場所から抜け出すなんてなかなか出来ない事だから。

なのでミニモニには

ー新学期から上のクラスに行くよ。今のクラスのお友達に会いたいときは会えるように先生達にも言っておくからね。


とだけ伝えておいた。ミニモニは、ん?という反応でその時はよく分かっていなかった。


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新学期が始まって、最初の2回は前のクラスが良い。とクラスで泣いてしまったよう。まあ、予期はしていたけれど、お隣のクラスとはいえ、環境が変わりクラスの面積も広いし、他の子は大きい子達ばかりだし、コミュニケーション力も強いし、学ぶカリキュラムも複雑で、圧倒されたのだと思う。

それに、上の子たちから面倒見られる立場に置かれて、プライドが傷ついたのもあるのだと思う。我が子ながら想像できる。。。屈辱!的な笑。


ただ、ここが私達の保育園の良いところで、園長先生が時々、ミニモニの様子を見に行ってくれて、状況をメールで私に教えてくれたり、更には前のクラスの保育士(同僚)がミニモニとランチを一緒に取ってくれて、よく頑張っているねと褒めてくれたり、いろいろと動いてくれていたよう。

私が迎えにいけば、4,5才の園児たちがミニモニちゃんは今日はこうだったよああだったよと沢山教えてくれる。いい先輩たちじゃないか!笑

そんな素晴らしいサポートもあってか、クラスを移動した最初の頃から家に帰っても特に「いやだ行きたくない」と言う様子もなく、なんだか彼女なりに真剣に向き合っている姿勢が感じ取れた。

そして、1日また1日と日々を重ねるごとに、少しずつ変化が。


まず、語彙力とコミュニケーション力が格段に上がった。とにかく家に帰ってきても今まで以上に話したい!という意欲が感じ取れる。合わせて、レゴを自分でやってみたり、パズルも難しいのがやりたいと言ったり、ごっこ遊びも急にレベルが上がった。それに、やっぱり相当なエネルギーを使うようで、良く食べるようになったし、「疲れたのでもう寝る」と早々にベッドへ。癇癪を起こす暇も無いよう。顔つきもキリっとしてなんだか生き生きしてきた。

上のクラスの先生に聞くと

ーミニモニちゃん。すごく頑張っていて感動しちゃう。私達も意識して「自由に好きな事で遊んでていいよ」という時間もあたえているんだけれど、「ううん。わたしは大きい子たちと一緒にいる。(レッジョ式)プロジェクトをやる。」と大きい子達に率先して混ざっていくんです。

と言っていた。


ちょっとコレには感動。

たった2年半しか生きていないのに

私なんかよりずっと強くて逞しい子じゃないか!

ミニモニの可能性に賭けてみて正解だった。

娘のことは私が一番理解していると思っていてもやっぱり不安だった。

ミニモニのおかげで母親としても自信がついた。

嬉しいなあ。ありがとうミニモニ。

なにより、この判断をサポートしてくれた保育園のチームの皆にも感謝しきれない。


頑張れミニモニ!私もミニモニに負けないように、

人生にチャレンジして、

自分を成長させるよう頑張るよ!



またまた長くなってしまいましたが、読んでくれてありがとうございます。


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